各種熱処理

めっき技術に関わる熱処理としては、
①めっきによる水素脆化の防止を目的としたベーキング処理、②ウィスカー発生防止などを目的としたリフロー(再溶融)処理、③めっき皮膜の硬度や耐摩耗性を高める熱処理があります。めっき皮膜の信頼性向上や高機能化に役だっています。

めっき種類 特長(特性値)
ベーキング処理 ・水素脆性除去のための熱処理条件(亜鉛めっき/高張力鋼材の場合)
引張り強さ(kgf/mm2) 熱処理温度×時間
105~145 190~220℃× 8 hr 以上
145~180 190~220℃×18 hr 以上
180 超 190~220℃×24 hr 以上

・密着性向上のための熱処理(無電解ニッケル-リンめっきの場合)
鉄系素材 210±10 ℃ × 1 ~1.5 hr
銅系素材 190±10 ℃ × 1 ~1.5 hr
アルミニウム系素材 130±10 ℃ × 1 ~1.5 hr
リフロー(再溶融)処理 スズ系めっき皮膜のウィスカー発生防止を目的に、内部応力を確実に除去するために、融点(232℃)よりやや高めの温度で溶融します。
熱処理 めっき皮膜(主に非晶質めっき)の硬度や耐摩耗性を高めるために、めっき後に熱処理を行っています。
熱処理温度(℃) 1時間保持 硬さ (Hv)
Ni-8wt%P Ni-12wt%P
熱処理なし 540 580
200 550 650
300 780 810
400 900 970

採用事例

各種熱処理

スズめっきのリフロー処理