めっき技術

潤滑性

二つの部品が接触しながら運動しますと、必ず摩擦が生じます。潤滑性のめっきは、この摩擦面間の摩擦を減少させ、素材の摩耗や焼き付けを防止することを目的としています。潤滑性改善のキーポイントは、なじみがよく、低摩擦係数であることなので、一般には軟らかいめっき皮膜が適しています。
最近では硬いニッケル-リンめっき皮膜表面に、潤滑性の高いテフロンや二硫化モリブデンなどの粒子を分散共析させた複合めっきが、潤滑油が使えないような摩耗環境下で活躍しています。
めっき種類 特性値 用途
軟らかいめっき ・銀めっき、インジウムめっき、スズめっき、すず‐鉛合金めっき、鉛‐インジウム合金めっき

・なじみ性や潤滑性が優れています。

・スズめっき皮膜の硬度
Hv 3~60

・鉛とインジウムの硬さは、スズよりもさらに軟らかい
Sn<Pb<In 
内燃機関のピストンやピストンリング、軸受、成形機のスクリューなど
硬いめっき ・マイクロポーラスクロムめっき+保油

・マイクロポーラスクロムめっき皮膜中の孔に固体潤滑剤テフロンを含浸させたテフロック加工(商品名)

・無電解ニッケル‐テフロン複合めっき、無電解ニッケル‐二硫化モリブデン複合めっき、無電解ニッケル‐フッ化黒鉛複合めっき、無電解ニッケルン-窒化ボロン複合めっき
採用事例
潤滑性

保油性を高めるクロムめっき表面の外観写真
(「クロムめっき」岸松平・日刊工業新聞社より)
潤滑性を高める方法としては、表面の摩擦係数を低くする、保油性を高める、なじみ性をよくする方法などがとられています。複合めっきは、マトリックス金属として硬質/軟質めっきを選べますし、分散析出させる微粒子も潤滑性に優れたテフロン粒子やフッ化黒鉛、二硫化モリブデンなどを選択できますので、耐摩耗性や潤滑性、耐食性などを兼ね備えた次世代のめっきです。