めっき技術

硬質クロムめっき

めっき膜厚が5μmよりも薄い(概ね0.1~0.3μm程度)ものを装飾クロムめっき、5μm以上のものを工業用クロムめっきまたは硬質クロムめっきと呼んでいます。
クロムめっきはほとんどが6価クロム浴からめっきされていますが、最近は環境調和の観点から、3価クロム化、さらにはクロムフリー化へと進んでいます。
めっき種類 特長 特性値
工業用(硬質)クロムめっき
(6価クロム浴)
・耐摩耗性を改善するため、各種素材上に5~数百mmの厚めっきが施されています。クロムめっきには、特有の微小な割れ(マイクロクラック)や微小孔(マイクロポーラス)が形成されますので、これを潤滑剤の保油に利用して潤滑性を高めています。 ・硬度 Hv=800~1000
超硬質耐熱クロムめっき
(Cr-C合金めっき)
・めっきのままでは非晶質構造。熱処理すると、硬度はHv1800。
・耐熱耐摩耗に優れており、金型に適用されています。 
・Hv 1800、
採用事例
硬質クロムめっき
片状黒鉛鋳鉄上の
硬質クロムめっき断面のSEM写真
・クロムめっき特有のマイクロクラックやマイクロポーラス中に、自己潤滑性や非粘着性に優れているテフロン(PTFE)を含浸させたクロム‐テフロン複合皮膜が実用化 (登録商標 テフロック)されています。

・環境保全の観点から、クロムめっきの代替めっきとしては、ニッケル-タングステン合金めっき、無電解ニッケル-炭化ケイ素複合めっき、コバルト-酸化クロム複合めっき、Co-Cr2O3複合めっきなどが開発されています。

・大型機械部品や印刷ロールなどの摩耗損傷部の部分補修のため、肉盛り再生させクロム筆めっき(ブラシめっき)が活躍しています。